『すぐに役立つモンゴル語会話』番外編
モンゴル草原の国だより Vol.13
ナーダム ~競馬を見ました~ 文:津田紀子
テンブックス刊行の「すぐに役立つモンゴル語会話」の編集をしてくれた 津田さんに、モンゴルの文化や生活、気になるトピックスを紹介してもらう コーナーです。 みなさまからのご質問もお待ちしています。 >>mongol@ten-books.jp

ナーダム ~競馬を見ました~毎年夏になると、モンゴルでは各地でナーダムが開催されます。ナーダムというのは、弓、競馬、相撲の3つの競技を競い合うスポーツの祭典のことです。

その中でもっとも大きな規模で行われるのが、7月11日の革命記念日から2日間にわたってウランバートルで開催される国家祭典ナーダムで、全国から競技参加者や観客が集います。国家祭典ナーダムで優勝&上位に入賞することは大変な名誉で、国民の関心も非常に高いんですよ。

さて、今年のナーダムでは競馬を見てきましたので、競馬についてちょっとご紹介しましょう。

国家祭典ナーダムの競馬は、ウランバートル市内から西へ車で1時間近くいった草原で行われます。かなり遠いのですが、それでもたくさんの人々が車の列をなして向かっていました。

レースは馬の年齢別に行われます。1レースには300人くらいが出場し、騎手は体重の軽い6、7歳から11歳くらいまでの子どもがつとめます。こんな幼い年齢でも、モンゴルでは一人前の立派な騎手。3、4歳から馬に乗り、常に馬に接しているモンゴル人ならではでしょう。また、驚くのはその走行距離で、一番年齢の若い2歳馬レースで15km、6歳馬以上のレースとなると約30kmもの長い距離を走らねばなりません。これは世界的にも例をみない長い距離のレースなのだとか。夏の暑いさなかに、これだけの距離を全力疾走するわけですから、騎手にとっても馬にとっても本当に過酷なレースで、途中で落馬する子どももいますし、ゴールしたあと力尽きて死んでしまう馬も出るほどです。

ゴールの時間が近づくと、観客はゴール付近に集まって、子どもたちの到着を今か今かと待ちます。遠くから砂埃があがっているのが見えて来ると、双眼鏡をのぞきながら「先頭集団は3頭だ!」などと大興奮。300頭あまりの馬が土ぼこりを巻き上げて駆けてくるわけですから、そのスケールは圧巻のひとことです。必死に、ときには泣きながら、それでもゴールに向かって走ってくる子ども騎手と馬を見ると、外国人でも、もちろん感動するのですけれども、モンゴル人が「競馬を見ると涙が出て来る」などと話していたりするのを聞くと、もっともっと心揺さぶられるものがあるようです。

近年、急激に発展しているウランバートルの生活の中ではほとんど気づかなくなっているのですが、モンゴル人はやっぱり騎馬民族なのだということを改めて感じた競馬レースでした。

それでは、このへんで。