『すぐに役立つモンゴル語会話』番外編
モンゴル草原の国だより Vol.10
暮らしの中の違い いろいろ 文:津田紀子
テンブックス刊行の「すぐに役立つモンゴル語会話」の編集をしてくれた 津田さんに、モンゴルの文化や生活、気になるトピックスを紹介してもらう コーナーです。 みなさまからのご質問もお待ちしています。 >>mongol@ten-books.jp

サインバイノー。

モンゴルと日本では、習慣やジェスチャー、作法など、いろいろな面で違いがあります。なかには日本にはないものや、全く逆のものもあって、面白かったり、戸惑ったり。今回は、そんな暮らしの中の違いを、いくつかご紹介しましょう。

■ 文化や習慣

・足を踏んだら、握手する

日本では足を踏んだら「ごめんなさい」と謝るだけですが、モンゴルでは握手するのが普通です。足がぶつかると、将来、敵同士になると言われており、それを避けるために握手をするのだとか。モンゴルの人々の間ではごく当たり前の行為で、町でうっかり足がぶつかってしまった知らない者同士でも、握手をするんですよ。

・挨拶のときは帽子をかぶる

帽子を脱いで挨拶する日本とは正反対。改まった席での挨拶になればなるほど、帽子をちゃんとかぶります。

・電話をかけた人が「どなたですか?

日本では、「どなたですか?」というのは、電話を受けた側の台詞ですが、モンゴルではかけた人が「どなたですか?」ということがあり、戸惑うことがあります。とりわけ年配の人に、このように言う人が多いようです。

・顔を洗うとき、顔を動かす

顔を洗うとき、日本人は手を動かして洗いますが、モンゴル人は水を手にためて顔のほうをクルクルと動かす人が多いです。こうしたほうが、使用する水の量が少なくてすむのだとか。水が貴重な草原の生活に適した方法なのでしょうね。

■ 言葉やジェスチャー

・小指を立てるのは、「悪い」の意味

日本では「女性、恋人、彼女」などを意味しますが、モンゴルでは「悪い」の意味。また親指を立てるのは「よい」の意味を表します。「うれしい」「おいしい」「似合う」(小指はその逆)と、広く使えて、なかなか便利なジェスチャーです。

・頭には触れないで

日本では、子供の頭をなでたり、ふざけてポンと頭をはたくのは、親しみを表す行為ととらえられますが、モンゴルでは嫌われる行為です。頭や肩に触れられると、幸運が逃げてしまうと考えられているためです。

・縁起のよい数字は「9」

モンゴルの縁起のよい数字は「9」。日本では「4」や「9」は忌み嫌われる数字で、病院などでは4号室や9号室はないと言うと、びっくりされてしまいました。逆に縁起の悪い数は「7」なのだそうで、アパートやマンションなどでも7号室はあまり人気がないそうです。

■ 食事

・食事は1品でOK

日本での夕食だと、ごはんに汁物、おかず2、3品が一般的だと思うのですが、モンゴル家庭のふだんの夕食では、ボーズ(蒸し餃子)のみ、肉入りうどんのみ、ホーショール(揚げ餃子)のみなど、1品だけでも誰も文句は言いません。毎日の食事に頭を悩ます主婦としてはちょっとうらやましいですよね…。

・食事のあいさつはなし

一応「サイハン ホールツゴーイー(いただきます)」「サイハン ホールロロー(ごちそうさま)」という言葉はあるのですが、モンゴル人のふだんの食卓では、食事をよそってもらった人から、そのまま無言で食べ始め、食べたあともとくに何も言いません。

・お酒を飲む前に儀式がある

日本では、「乾杯!」の音頭のあと、すぐに口をつけますが、モンゴルでは、このあとちょっとした儀式があります。まず、右手の薬指を軽く杯の中に浸します。それを天にむかってはじき、次に地にむかってはじき、最後に自分の額につけて、感謝と祈りをささげてから口をつけます。

・お茶やお酒はなみなみと注ぐ

モンゴル人がお茶やお酒を注ぐときは、ほとんど溢れんばかりに、たっぷりと注ぎます。とくに来客に出す場合は、そのようにしなければ、かえって失礼にあたるそうです。

モンゴルの習慣は、まだまだたくさんありますが、また改めてお伝えしたいと思います。

それでは、また。

バヤルタイ。