『裁判員になるってそういうことだったのか!』番外編

裁判員制度への提案集

■裁判員の資格を25歳以上に

 戦前の陪審員資格者について、他の条件はべつとして、ある程度人生経験を積んだ「30歳以上」というのは納得できます。一方、裁判員制度では20歳以上が有資格者となりましたが、20歳では、他人の人生を左右する裁判に関わるだけの「人生知」は未熟だと思います。衆議院立候補資格の25歳以上にしたらいかがでしょう?

■検察官と弁護人(被告人)によって不選任請求権は実施されるとして、「不選任される人が不選任になった人を除くようにプログラミングしたパソコンを使って、不選任になった人も含めた候補者全員が抽選に参加する方法」を提案します。これによって、不選任になった人の消化不良が多少は解消されると思います。

■不選任になった候補者に「特別慰労金」(仮称)を

 出頭したにもかかわらず不選任になった裁判員候補者には、裁判日程相当の「特別慰労金」(仮称)を支払うべきだと思います。「不選任請求権」が行使されて不選任になった候補者に支払うのは違和感がありますが、国民の司法参加という大きな意義に伴うコストととらえればいいのではないでしょうか。

■速記官による速記も活用を

 最高裁は、裁判員参加裁判における審理直後の評議の支援ツールとして、DVD録画と音声認識ソフトを組み合わせた新開発の映像検索システムを使う考えだそうですね。素人が想像する範囲では、たとえば、誤認識が心配されている方言に関しては、裁判員はだいたい地元の人なのでDVDで確認すれば理解できるはずだから、最高裁の採用するシステムでいいのではと筆者は思います。

 しかし、次の記事を見て再考が必要かもしれないという印象を受けました。

(抄録)
(略1)(略2)
東京地裁のある速記官によると、この数年で速記のシステムも急速に進歩し、ほぼリアルタイムの文字化が可能となった。誤変換も直後に修正し、紙データとともに、検索が容易な電子データも評議に提供できるという。
(略3)
日弁連裁判員制度実施本部委員の浜田広道弁護士は「録画で証言内容を確認するには実際と同じ時間を要するが、文字情報なら目を走らせれば瞬時に確認できるなど、一覧性が決定的に違う。正確な情報に基づく評議には、裁判員が自由に閲覧できる速記録が不可欠だ」と指摘している。(了)

[時事通信社2008年12月30日]

  電子速記研究会事務局長裁判所速記官小西貴美子さんのサイトによれば、速記によるリアルタイム字幕を点字に訳するソフトもあるそうです。(略3)には「証拠調べ後、その場で最終弁論を作ることもある弁護士にも、速記を求める声は強い。日弁連は速記官の養成再開を最高裁に求め続けており、」とあります。

 ところで(略1)は「最高裁は1998年、人材確保の問題などから速記官の新規養成を停止し、(略)公判記録の多くは外部委託で録音データから作成しているが、この方法では完成まで数日かかり、裁判員裁判には使えない。」と書かれています。それなら、《(略2)最高裁は「『目で見て、耳で聞く審理』の裁判員裁判に、文字記録は不要」との立場で、新システムで発言の約8割を正しく変換することができ、録画検索としての実用性は十分と》しても、裁判の現場に携わる弁護士の要望も強く、公判調書ともなる速記官による速記も活用してはいかがでしょうか? もちろん「外部委託」は取りやめで。

■少年事件を対象外に

 少年が起こした重大事件については、成人の場合に比べて慎重な捜査、さらに丁寧な調査・審理が必要です。また、少年院と刑務所の違い、刑罰と更生の重みの相違など、一般人にはすぐには理解しがたいこともあると聞いています。そのような意味で、その裁判に関わるためには、司法や、少年の心理・精神構造などに関する専門的で豊かな知見が必要です。よって、少なくとも筆者には、少年事件を裁判員参加裁判の対象から外すほうが制度の目的にかなう対処法だと思いますが、いかがでしょうか?

■裁判員にも法服を

 「白衣の天使」が看護師の代名詞なら、黒い法服は、裁判官という「権威」の象徴です。法服を着ていない裁判員は、被告人から見れば権威のない一般人としか見えないでしょう。権威がないと見くびられれば質問にも重みがなくなり、個人的に怨まれたり憎悪を抱かれたりするおそれがあります。「黒の法服」は何色にも染まらない色として着用しているということですから、裁判員も当然、同じ服を着用すべきだと思います。

■ 裁判長を中心に席順をバラバラに

 被告人が裁判官と裁判員の区別をしにくくして、報復を危惧する多くの裁判員の不安を軽減。

 そして可能なら、裁判長を中心に、席順をバラバラにして、被告人が裁判官と裁判員の区別をしにくいようにしていただ きたいものです。このような配慮をすれば、女性は特に安心するでしょう。

■評決は行なわないで

 評議の結果、有罪か無罪科について全員一致に至らない場合、評決をすることになっていますが、事実認定が「疑わしい」状態なので評決という事態に至るのだから、この事案は「被告人の利益に」すべきだと思います。つまり、有罪か無罪かについての判断は全員一致が必須条件となるはずです。どうしても一致しない場合は、新しい裁判員裁判でやりなおすべきだと思います。これは、裁判官と裁判員の一票の重みを名実ともに等しくする効果もあります。ただ、被告人の負担が重くなりますが、極力、裁量 保釈をする方向で。

■被告人が裁判員裁判を希望できるように

 裁判員裁判として決定されたら被告人は拒否できないようです。逆に、被告人が裁判員裁判を「希望」できるようにすることはできませんか? できるだけ多くの被告人が裁判員裁判を受けられるようにすること、できるだけ多くの国民が裁判員裁判に参加する機会をもうけることに、意義があると思います。